オモウコト

悩みが尽きない時

by しの


デザイナーにとって、経験は価値であり、その価値は必ず将来のためになる。
これはおそらく、どんなお仕事にでも言えること。

その経験を自分自身から掴みにいくことができるかどうか。
そこが、人間一人一人を試されるポイントだ。


今やっているお仕事は、大好きな文房具の販売であり、自分自身が必要としてもらえていることを心から感じる。お仕事の内容にも、一緒に働いている仲間にも、時給にも、立地にも、何一つ不満はないどころか、むしろこれ以上のところはないのではないかとさえ、思ってしまうほど。


だけれど、常に心には不安がつきまとう。

「本当にこのままでいいのだろうか。」


私には、はっきりと、明確に、この企業にいきたいと思える場所がある。そこにいけるかどうかはまだわからないけれど、その事務所にいくためにこの学校に入って、デザインの勉強をしている。加えて、その事務所は適宜リクルートページが更新されているし、受けようと思えば、もしくは自分自身からアポイントをとってお話を伺いにいけば、いくらだってチャンスはある。


なのに、動かない。それは、動きたくないのではなく、今の状況を崩すことが不安だからだ。前述したように、今の状況に不満や悩みがあるわけではなく、それ以上のものを受け取っている。
アルバイトとは言えないほどたくさんの業務に関わらせてもらえて、後輩の指導なども含めて自分が大切にしてもらえていることを感じられている。だからこそ、そんな満足した状況を自分から崩すことになんの意味があるのだろう?と、問いただしてしまう。

たとえば、事務所に応募をしたところで、まだ1年の自分ではIllustrator、Photoshopといったデザインの基本的ソフトウェアさえ満足に使うことができない。
作品数が少なすぎるあまり、ポートフォリオを作成することだってできない。

それなら、先にもっともっと土台や地盤を固めないといけないのではないだろうか。
そう考え、今は動かずにいる。

しかし、デザイナーは経験が価値となる。
学校という守られた世界にいては、これ以上の飛躍はできないのではないだろうか、そういった不安が消えないのだ。

今の自分と、この先の自分と未来と。悩みは後を絶たない。
悩んでいる暇があるなら手を動かすべきなのだけれど。わかっていても言葉にならない恐怖と常に隣り合わせの毎日を過ごしている。


一体、どうしたらいいのだろう。